お薬手帳

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 薬手帳は、とある薬害事件をきっかけに開始されたと言われています。日本では、阪神大震災から生じた医療の混乱のときに、処方箋の代替えとして認められていた時期もあったようで、以降急速に広がりを見せたようです。厚生労働省も、薬剤情報提供料として診療報酬加算を認めるなどし、近年では薬手帳の電子化という動きもみられるようになってきたようです。

複数の疾患に罹患することは高齢者や小児の特徴とも言えるでしょう。近年では専門医制度が確立されたこともあり、心療内科、老人科といったさまざまな専門外来が開設されてきているようです。つまり、複数の診療科を受診する機会が増えているということになるでしょう。これは、処方薬剤数の増加や、薬剤による有害事象の発生頻度を高くしてしまう危険性があると考えられるでしょう。そこで、薬剤による有害事象を解決する有効な方法のひとつとして「薬手帳」の活用があげられるでしょう。薬手帳は,薬剤使用歴が明らかになるばかりでなく、重複投与の防止に有効と考えられるのではないでしょうか。

しかし、幼児などは、薬手帳の管理は親に託され、使用方法などは親がきちんと理解しておく必要があると言えるでしょう。病院を受診する際には医師に提示し、病院や薬局ごとに複数の薬手帳を持たないよう注意しておかなければならないでしょう。医師不足は年々深刻化し、医師の転職も多く見られるようになってきた現代だからこそ、どの病院、どの医師に診察されても困らないよう、親がしっかりと子供の薬の管理や理解まで深めておけると良いのではないでしょうか。