食文化と密接に関わっている食品包装

食文化と密接に関わっている食品包装

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昨今問題となっている包装類に使用しているプラスチックごみによる環境破壊を考えると、包装なんて不要とつい短絡的に考えてしまいますが、ここにはもっと深く考えていかなくていけない問題が潜んでいます。もしOPP袋などの包装が無かったら、持ち運びが不便、消費期限や賞味期限の表示ができない、生ものは不衛生で日持ちもままなりません。包装しなかったら、今の世の中から多くの食品が姿を消してしまう事でしょう。高齢化社会、核家族化家庭にとって、包装で小分けされた食品でどんなにか助かっていることでしょう。レトルト食品や無菌包装食品は生まれなかったでしょう。最たるものは液体飲料。包装が無ければ流通できなかったことでしょう。災害時の備蓄用乾燥米は存在しなかったことでしょう。豆腐屋さんが売りに来なかったら、口に入らなかった時代を考えると、スーパーで手軽にその豆腐が手に入り、手軽に醤油や削り節をつけて食べるなんて考えられなかったでしょう。ちょっと考えただけでも現在の日常生活に包装は無くてはならない存在となっています。特に多種多様な食品にとっては尚更でしょう。その多様性に合わせいろいろ考えだされた包装容器など包装技術。日本はまさに現在その最先端を走っています。改めて包装の役割というものを考えた場合、まず内容物の保護が挙げられるでしょう。生鮮食品の鮮度を保つこともさることながら、流通上での衛生的な処理、微生物による腐敗や食品成分の酸化・変色からまもり、乾燥食品の吸湿と挙げればきりがありません。次に大きな役割として商品の小分け、組み合わせ、流通時の取り扱いの容易さが挙げられるでしょう。そして、消費者の購買意欲をそそるようなデザインも包装がされていないとできません。このように包装は現在の食生活に欠かせないものとなってきているなか、昨今叫ばれるようになってきた使用後の産業廃棄物増大による環境汚染。もちろん、そのような大きな課題にも日本は取り組み始めています。高機能包材に代表される環境にやさしい素材から各種包装技術の開発等、包装メーカーにとっては生存をかけた厳しい戦いがまさに始まっていると言っていいのかもしれません。